初代ジャイアンを演じたたてかべ和也さん

後任の役を演じることになるプレッシャーというのは、レギュラー枠であればあるほど重責だ。そういう意味ではキャストがまるっと一新されたドラえもんの後任者たちの負担は半端ではなかったはず。白川さんのように急な後任選定とは違ってはいるものの、それでも長年愛され続けていたキャストが変更されてしまうというのは、定着してしまったイメージを覆すのはどうも難しいからだ。そして名演技を披露し続け、この人の声は絶対に忘れられないと謳われた声優さんが亡くなったのもまた事実。2015年、白川さんよりも半年ほど前に逝去された『たてかべ和也』さんについては、ファンだけでなく業界関係者の多くが悲嘆の声を上げたと話題を集めました。

たてかべさんの場合、その死因は急性呼吸器不全。病気の原因は様々なので一概に言えるわけではありませんが、たてかべさんの生涯とは病気の連続だったのです。それというのも、亡くなる6年ほど前には胃がんが発見され、胃を全摘出して再発こそしなかったが体調が優れないことが多くなってしまったのも有名な話だ。そのため医療関係者からは老衰に近い形だったとも言われているため、高齢者の負担が大きい手術の辛さが垣間見えます。

この方もまた非常に有名な声優さんです、どんな役を演じていたのかというと、それこそ何十年とハマり役でした。永遠のガキ大将、ジャイアニズムなどという言葉も生まれて今でも話題に事欠かない『剛田武』という、ドラえもんに出演している『ジャイアン』を最初に演じた方なのです。

いい声を出したい方へ

黎明期から活躍していた1人

たてかべさんの死去は多くの関係者が悲しみの声を発表したと言われています、それもそうだ。なにせたてかべさんはジャイアンだけでなく、過去演じてきた作品の中には今でもそのイメージが定着して離れないという人もいるほどの有名人だからだ。個人的にはドラえもんのジャイアンというイメージが最も強いですが、当時を知る人にすればこんな役を演じていたんだと感慨深くなるのではないでしょうか。

歴代の演じた代表的なキャラクター

  • サザエさん - 穴子役(初代)
  • ど根性ガエル -五利良イモ太郎
  • タイムボカン - ワルサー
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV - 西川大作・一木木兵衛(二役)
  • ヤッターマン(第1作) - トンズラー

懐かしいと感じるものばかり

たてかべさんは日本のアニメ産業、その黎明期から活躍していた1人だ。そのため彼の声優人生もまた古く、サザエさんで初代穴子さんを演じ、ど根性ガエルではゴリライモこと五利良イモ太郎を、そしてコン・バトラーVというロボアニメの名作でも主要キャラである西川大作を演じていたのだ。ヤッターマンでもトンズラーを演じているので、懐かしいと思う人は多いはず。当時世代だったファンにすれば、そんな人が亡くなってしまうなんて、なんて思ったに違いない。

ただたてかべさんはこれまでの人生において、今現在までに活躍している実力派声優を何人も発掘している、というのも有名な話なのだ。

たてかべさんが発掘した声優

ベテランの大物声優だったたてかべさんは後に自身の会社を設立し、現在でも大手タレント事務所として有名な『ぷろだくしょんバオバブ』にてマネージャー兼常務取締役としての肩書も持ち合わせていたました。若手育成も含めた中で、彼が見出した現在では有名声優になった方々とは、このような人たちだ。

  • 堀内孝雄さん
  • 矢島晶子さん
  • 水谷優子さん
  • 折笠愛さん
  • 小林沙苗さん

上記の方々、オタクにとっては知らないとおかしいと言われてしまうレベルです。特に矢島晶子さん、この方はドラえもんと同じくテレビ朝日の看板番組として現在も放送されている『クレヨンしんちゃん』で、野原しんのすけを演じられている方だ。そんな人を見出してブレイクさせ、一躍実力派声優として何人も育て上げたため、先見の明にも優れた非常に有能な方だったようです。

その後は堀内孝雄さんと共にバオバブから独立して会社を立ち上げ、ケンユウオフィスにて取締役としても兼任するなどしていました。声優界の表舞台で活躍しながら、同時に裏では次世代の声優を育成する業務にも励んでいた。そんなたてかべ和也という声優が亡くなったという訃報が流れた際の嘆き、それも納得ができます。

声の仕事につくには

ジャイアンという印象が強い

たてかべさんの演技は然ることながら、やはりジャイアンの印象が一番強い人が多いはずだ。何せ卒業することになるまで計26年間、永遠ともいうべきガキ大将をずっと演じ続けられていたのです。あのどこか憎めず、傲岸不遜でのび太に対する扱いがいじめ以上のことをしているものの、時に音痴を披露するリサイタルで近所迷惑を通り越した行事を開くが実は友情に厚い、そんな役はたてかべさんだったからこそ演じられたのだ。

ジャイアンの後任である『木村昴』さんが悪いというわけではありません、それだけ印象が強すぎるという話なのです。亡くなってしまわれてもう聞けないのかと、いつまでも、今度は天国でもリサイタルを開いているんだろうと声もありましたが、それはそれでジャイアンが天国で暴れていると思うと、第二・第三ののび太くんが生まれている可能性も否定できませんね。