正直信じれなかった

大塚周夫さんを始め、たてかべ和也や小川真司さんなどの年齢を考えればその時が来てもおかしくないと言われてもしょうがない、それだけの高齢者だ。人間寄る年波には勝てない、今は20代・30代の若者だろうといつかは50を超えて、60以上の高齢者になるのは自然なことです。逆らうことは出来ない、だからといって人間としてやるべきこと、生きがいを持たないまま人生を過ごすことこそつまらないものはない。声優として活躍している人たちにすれば、声でいつまでも仕事ができる事はさぞ幸福なことだったのかもしれません。

有名な声優さんほど死に悲しむ人もいるでしょうが、筆者もこの方が亡くなったというニュースを見た時はなんとも言えない、そんな感情に見舞われたものだ。訃報があった当時は勿論、今でもこの方を超える人は本当に生まれるのだろうかと、そんな事をいつも思ってしまう『内海賢二』さんという大物声優だ。

名前を聞けば分かる人も多いはず、何せこれまで演じてきた役は日本はもちろん、世界的に名の知れた作品に出演し、大塚周夫さん同様亡くなる直前まで活躍をしていたからだ。そんな人の死が聞こえてきた時、悲しんだ人はリアルに多かったのではないかと思う。

いい声を出したい方へ

文字通りの国民的声優

内海賢二という声優名を知らない人はニワカにも程がある、とだけ前置きで言っておこう。出ている作品すべてを知っていないとおかしいとまでは言わないが、最低限知っていないとおかしい有名すぎるキャラクターがいるからだ。中でも世界的に知られているのが、次のようなものだ。

北斗の拳 ラオウ

シリーズを通して全世界で6,000万部という売上を記録し、今なお多くのファンを有している超有名な漫画、北斗の拳。この作品の中で内海さんは主人公ケンシロウの敵役であり、義兄弟の長兄に当たる『ラオウ』を演じられている。これだけでもう納得する人が多いはず、何せ亡くなる寸前までパチンコ・パチスロ業界では原作を元にした遊戯機を制作し、ラオウの声をほぼ全て内海さんが担当しているのだ。作品を見たことがない人でも、それだけでラオウの声=内海さんというイメージを持っているものです。

筆者個人としても内海さん演じるラオウあってこそだと考えているほどで、後任として誰が演じてもそのイメージは一生涯変わらないと思っているほどだ。ただそんなラオウの歴史に泥を塗り、正直ここまで名前を貶めたといってもいいような声優が担当していた時期もあるので、それもまたファンにすれば黒歴史であり、どうして内海さんにしなかったんだという声が多い。

Dr.スランプアラレちゃん 則巻千兵衛

ドラゴンボールシリーズを生み出した世界的な人気を勝ち得ている鳥山明先生、その作品の1つであり、ドラゴンボールシリーズと同様代表作として知られているのがDr.スランプアラレちゃんという作品だ。内海さんはそんな主人公のロボット少女アラレを創りだした技術者『則巻千兵衛』の声を担当している。

97年に放送された作品からは交代していますが、それまでの則巻千兵衛という物を知っている人にすれば演じている人が変わったというのは衝撃を覚えるものです。筆者も同じく、リアルタイムで97年度版の第二作目を視聴していましたが、違和感があったのは拭えませんでした。

ただラオウと比べると、欲望に忠実で世間の常識に疎い則巻千兵衛とのギャップが凄いので、本当に同一人物かと思ってしまうこともあります。

はじめの一歩 - 鴨川源二

またこちらも世界的にもそうですが、今現在も連載が続いている有名ボクシング漫画であるはじめの一歩、その作品で主人公幕之内一歩を始めとした名ボクサーたちが師事することになる『鴨川源二』というキャラクターも内海さんの代表作となっている。これまで演じてきた役はどれもこれも内海賢二という声優によってその色に磨き上げられていますが、この方ほどハマり役だっただけに残念、と語る人も多い。

亡くなる直前には第三期アニメシリーズの制作も発表されていただけに、続投するだろうと期待していたファンにとって、あの鴨川会長の声がもう聞けないのかと愕然とした人も多いはず。有名すぎる作品に出ている声優さんほど、役を見事に演じきってしまうのでここでも後任の負担は計り知れません。ただこの場合、同じく重鎮の飯塚昭三さんが担当することになったので、安心して見られたという人もいるでしょう。

声の仕事につくには

水樹奈々さんのファンだった

そんな声優界の重鎮であり、国民的声優と呼ぶにふさわしい活躍をされていた内海賢二さんですが、生前は同じく声優であり、歌手として活動する方向性を確立させた水樹奈々さんのファンだったという。内海さんは病気による逝去だったが、治療して退院したら彼女のコンサートに行くと宣言しているほど好きだったそうで、同時に水樹さんにしても内海さんは尊敬すべき大先輩という間柄でした。

けれど願いは叶うこと無く、コンサートへ行くという思いすら届かないままこの世を去ってしまった。そういう意味では一番無念だったのではないかと思うのも、水樹奈々さんだったのかもしれません。

高倉健と共演していた

ちなみに、内海賢二さんもまた長年活躍していただけあって、デビューは俳優業からでした。その時代において、日本を代表する名男優としても知られている高倉健との共演経験もあったというのも、また内海さんらしいエピソードとなっています。